WMT療法

WMT療法

Washed Microbiota Transplantation
WMT療法とは

WMT療法(Washed Microbiota Transplantation:洗浄微生物叢移植療法)は、従来のFMT療法のリスクを軽減し進化させた治療法です。

FMT療法が便そのものを移植するのに対し、WMT療法では便から有益な細菌群のみを抽出・精製し、不要な成分を徹底的に除去した後に移植を行います。


この洗浄プロセスにより、臭いや不快感が大幅に軽減され、患者様の身体的・心理的負担を軽減するとともに、有害物質や潜在的病原体のリスクを最小限に抑えることが可能になりました。さらに、便中菌体の多様性がそのまま生かされます。

FMT療法とWMT療法の主な違い
比較項目従来のFMT療法SMT療法WMT療法
移植材料便の液状成分乳幼児の便から培養したビフェズス菌群健康で若いドナーの便液状成分から洗浄・精製された腸内細菌
安全性寄生虫や病原菌混入のリスクあり培養菌で最も安全な素材洗浄により有害物質を除去した安全性の高い素材
治療効果標準的マッチングした菌体を選別しており有効性は高い最小限のリスクえ多様性があり、高い効果が期待できる

治療プロセス

  • 初診・検査

    医師による詳細な問診と、便検査、血液検査を実施します。

  • ドナー選定

    検査結果をもとに、患者様の症状や腸内環境に最適なドナーを選定します。

  • 微生物叢の洗浄・精製

    選定されたドナーの便から多様性を生かしたまま有益な腸内細菌を抽出し、不要物質を徹底的に除去します。

  • 移植

    精製された微生物叢を、内視鏡または注腸により患者様の腸内に移植します。

  • フォローアップ

    数回に分けてフォローアップ検査を行い、腸内環境の変化と症状の改善を評価します。

about this treatment

WMT療法のメリットと効果

治療の再現性

標準化された洗浄プロセスと厳格な管理体制により、移植する腸内細菌の品質は一定に保たれます。菌体の保存・移植条件も最適化されているため、腸内での定着や機能に再現性が期待できます。

菌種多様性の回復および維持

出生後から5歳までに保持していた善玉ビフィズス菌群は、成人になると大半が失われます。WMT療法では、健康なドナーから良好な腸内フローラを移植することで、菌種の多様性を増加させます。

安全性の向上

国際基準をクリアした日本唯一の専用機器を院内に導入しています。洗浄工程により、寄生虫や悪玉菌はふるいにかけられ、病原菌やアレルゲンのリスクも低減します。これにより副作用リスクを最小限に抑えた安全な治療が可能となります。

■対象疾患

・健康寿命の延伸(早老症)

・潰瘍性大腸炎、クローン病、IBS(特に下痢型)などの炎症性腸疾患

・自閉症、発達障害、学習障害

・肥満、るいそう(るい痩)


・難治性痛風、糖尿病、高血圧、高脂血症

・自己免疫疾患、リウマチ、膠原病

・花粉症、食物アレルギー、薬物アレルギー

・認知症、がん予防